この仕事の魅力は、一日の大半を自分のリズムで運転や積み込みを行える点にあります。さらに、全国各地を旅することで、地元ならではのグルメを楽しむ機会も豊富です。道の駅やサービスエリアでの地域特有の美食の探索、そして大型トラックの運転手ならではの隠れた名店の発見もこの仕事の大きな魅力の一つです。

やりがいについては、運送業界が多く採用している歩合制度に大きく関わっています。荷物の種類や目的地によって変わる運賃を基に、積極的に配車担当者や荷主にアプローチし、より良い条件を勝ち取ることに成功すると、大きな達成感を得ることができます。

運送業界では忙しい時期が定期的にあり、私が働いていた会社では特に12月から5月までがその期間でした。この時期は休みなしで、福岡と東京を往復し、帰宅する間もなく再び新潟や大阪、四国へと向かう「トンボ帰り」と呼ばれる状況が頻繁に発生しました。連日の長距離輸送で、食事は外食が中心となり、風呂は道路沿いのガソリンスタンド、洗濯はコインランドリーで済ませるなど、生活費がかさむのも大きな負担でした。

ネットショッピングの普及により、現在の運送業界はかつてないほどの荷物量の増加を見せています。大型トラックの技術も進歩し、高速道路網の整備が進むなど、荷物をより安全に輸送するための環境は改善してきています。しかしながら、運送費の低迷は続いており、運送業を取り巻く価格競争の激化が乗務員の生計に影響を及ぼし、給与の減少という形で現れています。業界の持続可能な発展と乗務員の待遇改善のためには、トラック協会などの関連組織が現状を正確に認識し、具体的な改善策を講じることが求められていると言えるでしょう。

業界特有の裏話として、各地で多くの人々とのつながりが生まれることがあります。私自身、男性ではありますが、荷物を積む際に出会う受付の女性たちと親しくなることも少なくありません。時には居酒屋での飲み会も楽しんでいます。もちろん、次の日には長時間の運転が控えているため、飲酒は控えめにしていますが。

運送業界に進みたいと考えている皆さんへ、業界のリアルな情報をお伝えします。多くの運送業者では、日々の配送スケジュールが流動的で、家に帰れると思った瞬間に遠方への配送が入ることが珍しくありません。この業界で働くなら、独身のうちに思い切り経験を積むのが良いでしょう。新婚の方には必ずしも推奨できる職種ではないかもしれません。ご自身のライフスタイルや状況に合わせた選択が大切です。独身であれば収入の高い長距離配送、新婚であれば毎日家に帰れるような地場配送の仕事を選ぶなど、柔軟に対応することが求められます。ただし、どの道を選んでも厳しい労働環境には変わりありません。どうか健康には十分注意して、頑張ってください。