学生服売り場でしたが、勤務地がデパートだったので、上司の従業員割引を利用して、高い化粧品や服を買えたことはお得感がありました。いろんな客層の接客をしたので、かなり接客のスキルを磨くことができました。また、ここでの経験を評価されて、学生服売り場での契約後も、デパート内の別の売り場に異動することができ、結局2年ほどこのデパートでアルバイトすることができました。時給はあまりよくはありませんでしたが、接客対応がうまくなり、後の就職活動でも有利になったと思います。

実家から、電車を乗り継いで1時間ちょっとかかったので、通勤がかなりしんどかったです。特に遅出のときは、11時から勤務開始で、午後8時に終了すると、家に帰ってきたら10時近くになっていました。それとやはり、モンスターペアレントの対応がかなりつらかったです。当時わたしはまだ大学生だったので、かなり見下した感じの言い方をする親もいましたし、新しいものを渡しても、必ず「汚れていた」だの「糸がほつれていた」だの文句を言って返品しにくる人もたくさんいました。本当に精神的に参りました。

私が勤めていたデパートの学生服売り場は、紳士服売り場の一部として機能していました。これにより、販売スキルだけでなく、紳士服に関する知識も身につける機会がありました。私の上司はその後、紳士服のワイシャツ売り場へと異動し、キャリアアップを果たしました。これは、デパート内での多様な経験が将来的にどのように役立つかを示す良い例です。デパートでの勤務は多くの販売員にとって、接客技術を磨き、異なる売り場で経験を積むことで、将来的には店舗管理や経営に携わる道を開くことができるかもしれません。デパート業界では、接客スキルだけでなく、商品知識、プロモーションの技術、人材管理など、多岐にわたるスキルが求められます。

学生服のストックが保管されていた倉庫部屋では、時折ネズミが出没することがありました。私自身は直接目撃したことはないものの、他のスタッフが清掃中にネズミを見かけたと報告していました。特に、食べ物のカスを見つけているネズミを目撃したことがあり、それが衛生面での懸念を引き起こしました。販売する服にネズミが触れた可能性があると知りながら、それを顧客に販売することは道徳的なジレンマを感じさせるものでした。

デパートでの仕事は表面的にはとても華やかに見えますが、実際には接客業としての厳しさも伴います。美しい制服を着て、プロフェッショナルな化粧を施した販売員がいる一方で、長時間の立ち仕事、常に笑顔を保つ必要があります。また、少しでも注意が逸れると、厳しい客に目をつけられ、「やる気がない」と不満を言われることもあります。この職業を目指す方は、見た目の華やかさだけでなく、その背後にある努力と耐え忍ぶ強さを理解し、全身全霊で臨む覚悟が必要です。デパートで働くことは、多くの人にとって魅力的なキャリアパスかもしれませんが、その苦労と挑戦もまた、真剣に受け止める必要があります。